第31章 お腹が痛い

彼女は怒りのあまり、周りにある手当たり次第のものを叩き壊したが、それでも気が収まらない。スマホを床に叩きつけようとしたその時、着信音が鳴り響いた。

手に取って見ると、大親友である望月沙耶からの電話だった。

電話に出るなり、望月沙耶のわざと作ったような、媚びを含んだ甘い声が聞こえてきた。

「華蓮、今日時間ある? 昨日一日中街をぶらぶらしてたから、今日は体がだるくて。さっきスパを予約したんだけど、一緒に行かない?」

綾辻華蓮は苛立ちを隠せない声で、怒りを滲ませながら答えた。「行くわけないでしょ。時間ないから、一人で行って」

望月沙耶はすぐに綾辻華蓮の様子がおかしいことに気づいた。今日の遊...

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