第40章 詩織が叱られる

女の掌は温かく柔らかで、その手が頭に置かれた瞬間、仙道哲也は自分が何を言おうとしていたのかさえ忘れてしまった。

二人が療養院に戻ると、綾辻詩織の携帯電話が不意に一度鳴った。

彼女が画面を開くと、夏川巴から送られてきた一通のゴシップニュースだった。

その表紙に写る見慣れた姿を見て、綾辻詩織の顔はみるみるうちに紙のように真っ白になった。

【タレコミ:金目当てで見栄っ張りな唖の女、俺様社長を誘惑し従妹の恋路に割り込み、複数股かけか】

その見出しを見ただけで、彼女は目の前が何度も暗くなるのを禁じ得なかった。

影響されてはいけないと心では分かっていたが、それでも思わず動画をタップして開いてし...

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