第64章 ここに大妖怪がいる

綾辻詩織は餓鬼の仮装をすることにした。

黒いマントが彼女の華奢な体を覆い隠し、精緻で青白い顔だけが覗いている。

鮮血のような口紅が、その肌を一層雪のように白く見せていた。

まるで真夜中に咲くケシの花のように、どこか危険な誘惑を帯びている。

彼女は話すことができない。だが、その漆黒の瞳はどんな言葉よりも雄弁だった。

それに比べて、仙道哲也と榊宗佑はずっと気楽なものだった。

ただ仮面をつけただけ。一人はバットマン、もう一人はゾロ。祭りの雰囲気には合っている。

準備が整い、四人は一緒にハロウィンのイベント会場へと向かった。

晶ちゃんは綾辻詩織の手をしっかりと握り、道中ずっとぴょんぴょ...

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