第2話
食卓では、皆が競うように私に料理を盛り、気遣いの言葉を掛けてくれた。
母が盛ってくれた唐揚げを口に運びながら、涙が目に浮かんだ。長い間覚悟を決めてから、ようやく口を開いた。「お父さん、お母さん、お姉さん。話したいことがあるの……」
「ちょうどいいわ、母さんも佐緒里に相談したいことがあるわ」
「お姉さんがうっかり同級生と口論になってしまって、代わりに警察署に行ってくれないか?」
母がそう話す間、継父とお姉さんは緊張した面持ちで私を見つめていた。
その表情を見る限り、これはただことではないと悟った。
私はすぐに警戒した。「お姉さんはどんな口論をしたの?」
絵島紗夜は視線を泳がせ、継父の胸に身を縮めて黙り込んだ。
母は笑って言った。「ある同級生が自殺を図ろうとして、お姉さんが止められなくて自責の念に駆られているの。警察署で事情聴取を受ける気になれないから、代わりに行ってあげて」
絵島紗夜は小さい頃からろくに勉強もせず、よく派閥を作って集団喧嘩をし、警察署に行く回数は家に帰るよりも多かった。
彼女は人をいじめるタイプで、誰かを親切に助けることはないと思う。
突然、私の心臓がドキッとし、悪い予感が頭をよぎった。
絵島紗夜が人を殺した!
私は全身が震え、信じられないという表情で三人を見つめた。
この偽りの温かさの裏には、すべて策略があったのだ。彼らは私に絵島紗夜のかわりに罪を被らせようとしていたのだ。
私は狂ったように怒鳴った。「母さん、頭がおかしくなったの?」
これは殺人だ!
殺人だぞ!
私が拒否すると、絵島紗夜はたちまち顔を曇らせ、助けを求めるように母を見た。
母の態度はたちまち一変し、口調も辛辣になった。
「佐緒里、お姉さんのためにちょっとしたことを頼んだだけなのに、それさえまともにできないなんて、あなた本当に役立たずだわ!」
「なんて恩知らずなの!」
この言葉は、私が生まれてから数え切れないほど聞いてきた。耳にタコができるほど。心がもう凍りついた。
以前は、一人で私を育ててくれた母の苦労を思いやり、母が継父やお姉さんとうまくやっていけるように、自分が少し我慢しても構わないと思っていたが。
