第8話

近所の姉が全市のピアノコンクールで優勝し、近所中の人々に称賛された。

  絵島紗夜もすぐにピアノを習いたいと言い出したが、継父はトラック運転手で、月給は三十万円程度。彼女のピアノ習いの費用を負担する余裕など全くなかった。

  ピアノを習わせてもらえないと、絵島紗夜は泣きながら家中の物をぶち壊し、さらにはハンガーストライキまで起こした。

継父は胸が張り裂ける思いで目を潤ませ、家財を売り払ってでも娘にピアノを習わせると誓った。父娘が抱き合って泣きじゃくる姿に、母は深く心を打たれた。

母は歯を食いしばり、絵島紗夜に「ピアノの費用は私が全部負担する」と約束した。

ピアノが習えることを知った絵島紗夜は、...

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