第8章

百合子視点

(イリスは……やっといなくなった……でも、絵美里も死んでしまった……)

けれど、安堵する間もなく、恭平の狂ったような笑い声が、地下室に響き渡った。

「ハハハ! いい! 実にいい! これで僕たちを止められる者は誰もいない!」恭平は刃についた血を拭うと、儀式の陣へと戻った。「魔術師、儀式を続けろ!」

魔術師は頷き、その詠唱はさらに緊迫感を増していく。邪悪な力がより激しく私の意識に侵食し始め、思考が霞んでいくのを感じた。

(颯馬……助けて……もう、誰にも支配されたくない……)

意識が完全に飲み込まれようとした、その瞬間。突如、頭上から激しい爆発音が聞こえた。

ドォ...

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