第7章

朝になっても、メディアによる包囲網が解ける気配はなかった。

渡辺昭は絢紀の病室の窓際に立ち、まるで獲物に群がる禿鷹のように駐車場に殺到する報道陣を見下ろしていた。彼らの怒鳴るような質問が建物の壁に反響し、その一つ一つが前のものより無遠慮になっていく。

「渡辺議員!榎本絢紀はあなたの娘なんですか!」

「榎本栞との関係は!」

絢紀は病院のベッドで眉をひそめ、外の喧騒にゆっくりと目を開けた。

「すごくうるさい……」と耳を塞ぎながら囁く。

これこそ私が恐れていたことだ。娘が騒音から逃れるように身を縮こまらせるのを見ながら、私は思った。あの子はまだほんの小さな女の子なのに。

渡...

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