第100章 柊木禅司ともう一人の女

翌朝――上東区、柊木禅司のプライベート・ペントハウス。

陽光が寝室いっぱいに広がり、空気は澄んでいて、やわらかく温かい。

月岡古雅はやけに早く目が覚めた。メッセージの通知音に叩き起こされたのだ。

ベッドヘッドにもたれ、スマホを手に取る。

見知らぬ暗号化番号から届いた動画。文字はなく、注釈もない。映像はたった三秒。

指先で再生を押した。

薄暗い画面。角度も悪い。どう見ても盗撮だ。

柊木禅司がパーティー会場の隅に立っている。そこへ女が自分から身を寄せ、顎を上げて彼の横顔に触れるほど近づき――キスの瞬間で映像が止まった。

二人とも目を閉じ、眉目はやけに穏やかで。

柊木禅司が彼女の...

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