第122章 桜井心春の目的

妊娠二か月半。月岡古雅のつわりはようやく落ち着きはじめたのに、桜井心春が訪ねてくる頻度だけは増える一方だった。

柊木禅司は、ついに我慢の限界を迎える。

その日、桜井心春が写真を提げて玄関へ来た瞬間、禅司は彼女を庭先で遮った。

段差の上に立つ男は黒のカジュアル姿。周囲の空気は凍りつくほど冷たく、視線は氷の刃みたいに桜井心春へ突き刺さる。温度なんて、欠片もない。

桜井心春の笑みが一瞬で固まった。反射的に半歩、後ずさる。

「柊木さん?」

「お前が誰の手の者でも、何を企んでいようが知ったことじゃない」

柊木禅司は一語一語に殺気を滲ませる。

「今すぐ消えろ。二度と俺たちの前に現れるな」...

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