第14章 いくらでも付き合う

「聞いた? 月岡古雅が七瀬崚介と婚約解消するんだって」

「マジで? あの月岡古雅が? 七瀬崚介のこと命がけで好きって感じだったじゃん」

「しかも月岡古雅のほうから言い出したらしいよ。どうせ今は柊木禅司に乗り換えたんでしょ。恋だの愛だの、もうどうでもよくなったんじゃない?」

「最低。ああいうのと同じ教室にいるだけで吐き気する」

月岡古雅が教室へ足を踏み入れた瞬間、あちこちからひそひそとした声が絡みついた。

彼女に気づいて声量は落ちたが、嘲りと嫌悪の視線だけは、むしろ遠慮を捨てて突き刺さってくる。

月岡古雅が自分の席へ向かい、椅子に手を伸ばしかけた、そのとき。

背中に、ねっとりとし...

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