第146章 友たち

月岡古雅は、言ったそばから動いた。

彼女は一人で車を走らせ、石川山尾に教えられた薬材市場へ向かう。

規模こそ大きくない。だがP州やF国から流れてきた希少な薬材が、ここにぎゅっと集まっていた。

月岡古雅はシンプルなキャップを深くかぶり、露店を一つずつ丁寧に見て回る。

指先で薬材をつまみ、鼻先に寄せてくんくんと匂いを確かめる。次いで、繊維の走り方や色つやを目で追った。

「このロット、年数が足りない。いらない」

「品はいいわね。サンプルで回して」

最初は、地味な格好の若い娘など相手にしない空気だった店主たちも、古雅の手つきの確かさに気づくと、態度を改めていく。

「奥に別のグレードも...

ログインして続きを読む