第22章 血を吐く

彼女は踵を返して店内へ戻り、原田奈織に付き添って服を選んだ。

今度は、店員たちの態度が一変する。誰もが腰を低くし、言葉遣いも動きも、やけに丁寧だった。

原田奈織は試着をしながら、鏡越しに月岡古雅へにこにこ笑いかける。

「古雅ちゃん。さっき外で話してた人、誰? 顔もいいし、雰囲気もいいわよね。ちょっと冷たそうではあったけど……母親ってね、そういうの分かるの。あの人、あなたを見る目が普通じゃなかった。あなたたち……どういう関係?」

胸が、なぜか速く打った。自分でも気づかないうちに、耳の先まで熱くなる。

「お母さん、ただの友達だよ。変に勘ぐらないで」

けれど原田奈織は引かず、むしろ意味...

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