第23章 やはり狂人だ

柊木禅司は余計なことを言わず、身を翻して先に歩き出した。

月岡古雅も足を上げてついていく。二人は前後して料理屋へ入る。

窓際の個室に通されると、係の者が左右に整列して待っていた。入室するなり一斉に深く頭を下げ、椅子を引いて迎える。

ほどなくして料理長が皿を運んできた。

ドライエイジングのリブアイ。焼き加減はミディアム、月岡古雅の好みの粗挽きブラックペッパーでまとめてある。付け合わせは薄味で、塩分控えめなのが見て取れた。プリンには、彼女がいちばん嫌うナッツが一切入っていない。酒のグラスにさえ、きちんと氷が落としてある。

柊木禅司は独裁者みたいで、女と食事をしても注文すらさせない男だと...

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