第24章 凍り気絶

車はほどなく月岡家の別荘の門前に滑り込んだ。

月岡古雅はシートベルトを外してドアを押し開け、振り返って彼を見ると、笑って言った。

「柊木社長……私、あなたに借りを作りすぎました。もう返し切れないかも」

夜の闇の中、柊木禅司の顔は半分だけ光に縁取られ、表情までは読み取れない。

「生きていれば、返せる」

月岡古雅はふっと笑った。瞳の奥に散った小さな光が、夜色にわずかな彩りを足す。

こんな笑い方は、柊木禅司にとって初めてだった。

これまでの彼女は、口元が笑っていても、目が冷たかった。

今の彼女は、警戒をひとつ外し、棘で包んでいた柔らかい部分をちらりと覗かせた気がした。

柊木禅司の...

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