第27章 正体

原田佐介は目を背けたまま、手だけがぶるぶると震えていた。

「こ……こんなの全部デタラメだ! 認めない、俺はやってない!」

警察が原田佐介を取調室へ連れていこうとした、そのとき。出入口のほうから切羽詰まった声が飛んだ。

「古雅ちゃん、大丈夫!? ケガはない? びっくりした……お母さん、心臓が止まるかと思った!」

月岡博雄、原田奈織、月岡星也が慌てて駆け込んでくる。

原田奈織は目を真っ赤にして、月岡古雅を抱きしめた。

「誘拐されたって聞いて……誰がやったの!? 古雅ちゃん、無事でよかった……!」

月岡古雅は首を横に振り、落ち着かせるように奈織の背を軽く叩いた。

それから、奈織をま...

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