第28章 弱みを見せる

その感覚はどこか見慣れないものだったが、柊木禅司の気分は一気に軽くなった。

彼は振り返り、傍らの警官に告げる。

「原田佐介は他人をそそのかして誘拐、さらに傷害。証拠も揃っている。公正に処理してくれ」

警官は、柊木禅司が突然現れた衝撃からまだ抜けきれていない様子だったが、指示を聞くや慌ててうなずいた。

「柊木社長、ご安心ください。法に則って厳正に対処します。決して見逃しません」

そう言って、警官が原田佐介を運び出そうとした、そのとき。

月岡古雅のスマホが鳴った。

「もしもし、原田奈織さんのお嬢さまでいらっしゃいますか。お母さまが高血圧の発作を起こされまして、現在病院にいらっしゃい...

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