第40章 恋の味わい

農場の丸太小屋はさほど広くない。置けるのはダブルベッドが一つと、クローゼットが一つだけだった。

窓の外は月が淡く滲み、夜風がひんやりと肌を撫でる。

月岡古雅はベッドの縁に腰を下ろした。耳の先が、まだうっすら赤い。

そっと盗み見ると、窓際には柊木禅司が立っていた。

男はさっき浴室から出たばかりで、濡れた髪から落ちる雫が床にぽたぽたと落ちている。彼は視線を落とし、仕事の画面を追っていた。冷たい光が硬質な横顔を照らし、その周りの空気まで温度を下げているように見えた。

「……早く休んだほうがいいよ」

月岡古雅は意を決して口にした。言い終えるなり慌てて布団を跳ね上げ、潜り込む。

ほんの一...

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