第43章 青木雲を救う

群衆の視線は、嘲笑一色だった。

「手も足もあるくせに、ここで土下座したら200万だと? 金に狂ってんのかよ」

「頭も弱そうだな。あんなデカい体でさ。もっと細くて小さいの連れて来いっての」

「いつまで芝居続けられるか、見ものだな」

月岡星也でさえ眉をひそめ、露骨に顔をしかめる。

「行くぞ、古雅ちゃん。こんなのに付き合うな。どうせ金目当てだ。都心じゃいくらでもいる」

だが、月岡古雅の足は止まったままだった。

男の濃い色の作業ズボンは、かなりくたびれている。それでも洗い込まれて色が落ち、清潔さだけは残っていた。

大事に穿いてきたのが分かる。

演技なら、もっと汚くてぼろいものを用意...

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