第44章 顔を潰される

けれど、原田紀奈が思い描いていた展開は、何ひとつ起きなかった。

器材は一定の速度でくるくる回り、試薬はぷつ、ぷつ、と小さな泡を立てるだけ。爆発音もない。月岡古雅が頭を抱えて泣き崩れることもない。

あるのは、さっきの悲鳴のせいで向けられた、クラスメイトたちの苛立った視線ばかりだった。

月岡古雅も、まるで変なものを見るような目で原田紀奈を見た。

「原田紀奈、何してんの?」

原田紀奈は奥歯が砕けそうなくらい噛みしめた。

どうして、また失敗なの。

考える暇もない。周りの視線が、肌を焼くみたいに痛かった。

――そうだ。

原田紀奈はひらめくなり、わっと声を上げて泣き出した。

「お姉ち...

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