第51章 反撃

柊木禅司の姿が、扉の向こうへ消えた。

ドアが閉まった、その瞬間。

黒川京吾が握り締めていたワイングラスが、ぱんっと乾いた音を立てて砕け散る。

荒い息。充血した目で入口を睨みつけ、歯の隙間から言葉を絞り出した。

「柊木禅司……覚えてろ。おい、人間ども! 今すぐ入ってこい!」

部下が恐る恐る扉を押し開ける。そこにいた黒川京吾は、獲物を探す獣そのものだった。近寄ることさえ躊躇わせるほどの殺気。

黒川京吾はよろめきながら立ち上がり、陰のように冷たい視線を落とした。

「柊木禅司が月岡古雅を守るって? いい、実にいい。月岡古雅が動かせない。柊木禅司も動かせない。だからって——あいつの家族ま...

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