第69章 私も君に二つの選択肢を与える

病院の中。

柊木禅司のひと言で、男は腰が抜けたように全身の力が抜け落ちた。

喉元に何かが詰まったみたいで、息ができない。窒息感が一気に全身へ回り、男は怯えきった目で柊木禅司を見据えたまま、ひと言も発せられなかった。

頭にあるのは、ただひとつ。

――柊木禅司が動く前に、今すぐ殺す。

そうしなければ、死ぬのは自分だ。

必死に引き金へ指をかけ、何度も押し込む。だが、力が入らないのか、それとも銃が細工されているのか、カチリとも鳴らない。

男はただ、柊木禅司が立ち上がるのを見ていた。腕を上げるのを見ていた。

次の瞬間、軽い所作で――ぱしん、と手元を弾かれ、拳銃が床へ転がった。

そして...

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