第71章 菊池炎の身分

突然の二段反転に、原田奈織も月岡星也も、頭がついていかなかった。

だが、その直後に起きた光景は、二人の顎が外れそうになるほどだった。

手下の一人がついに堪えきれなくなり、どさりと膝をついて床に額をこすりつける勢いで泣き叫んだ。

「月岡さん、お願いです! 榎本さんに口利きしてください! 俺たち、ほんとに死にたくないんです! 俺らは金をもらって……頼まれた厄介事を片付けるだけで……!」

誰かが先陣を切った瞬間、次の一拍で、わらわらと人が崩れ落ちるように跪いた。

「そうだよ、月岡さん! わざと逆らったわけじゃない! 命だけは助けてくれるなら、何でもします!」

「許してくれないならせめて...

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