第75章 薬がすり替えられる

月岡古雅が家に戻ったのは、そこから二時間も経ってからだった。

柊木禅司が複合の経口薬を届けてくれていた。

だが、薬が舌に触れた瞬間――かすかな金属臭がした。

古雅は反射的に吐き出す。

「どうしたの? 古雅ちゃん?」

原田奈織が慌てて水を差し出した。

月岡古雅は眉をひそめる。

「……この薬、変」

そう言うと古雅は近藤を呼び、残りの薬液を分析に回させた。

結果が出るのは早かった。

――やはり、すり替えられている。

「元は処方どおりの薬剤でしたが、外観が酷似した紫幻花の薬剤に置き換えられています。似ていますが作用は別物です。体内に残っていた毒素を再燃させ、しかも発覚しにくい」...

ログインして続きを読む