第81章 試合を行う

言い終えるやいなや、会場のあちこちからどよめきが起きた。

「ほらね。どこからそんな自信が湧くのかと思ったら、柊木禅司の結婚披露宴で騒げる理由はそれかよ。伊藤早弥の弟子だってさ」

「伊藤早弥って、あの伊藤早弥? 三年前の国際ピアノコンクールで『月と夜』一曲で一気に全国区になった、仮面のピアニストの?」

「そうそう。曲一つで十数億稼いだって噂。いくら積んでも一曲弾いてもらえないのに、本人はそれっきり表に出てこなくなったんだよな」

「月岡古雅が何様だよ。伊藤さんの弟子に絡むとか、身の程知らずにもほどがある」

ひそひそとした囁きが波みたいに広がり、時折、月岡古雅へ露骨な白い目が向けられる。...

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