第101章 駒

それを聞いた瞬間、小林華絵は動揺した。

相沢千夏の手にあるビデオカメラを、目を見開いて睨みつける。まぶたの端が裂けそうなほど、必死に。

——いまの自分を、誰にも見られたくない。

助けなんて来ない。相沢千夏が何を企んでいるのか、想像するだけで背筋が冷える。

小林華絵は顔を真っ赤にし、歯ぎしりするように吐き捨てた。

「言うわよ! 言えばいいんでしょ! でも私の身の安全は保証して!」

相沢千夏は眉を上げる。

「いい。約束する」

小林華絵は唇をきゅっと結び、視線を数秒泳がせたあと、ようやく口を開いた。

「……坂本隆也と関係があったのは認める。でも全部、あいつに脅されて仕方なくよ。私...

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