第103章 逮捕

坂本隆也が、ぴたりと動きを止めた。

反応する間もなく、木村さんが目をまん丸に見開き、息を呑んで叫ぶ。

「氷川社長?!」

氷川隼人は表情ひとつ変えず、冷ややかにうなずいた。

数秒の沈黙ののち、どよめきが爆ぜる。

「氷川社長だ……本物だ!」

「生きてた! 氷川社長が戻ってきた!」

氷川派の面々は、見慣れた顔を前にして感極まったように目元を赤くし、反対に坂本隆也へ寝返っていた取締役たちは、みるみる血の気を失っていく。

坂本隆也はその場に固まり、顔色が目まぐるしく変わった。瞳に走るのは、驚愕、怒り、そして恐怖。

ありえない……。

氷川隼人が、生きているはずがない。

落水――いや...

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