第11章 それすら知らないのか

氷川隼人は眉をひそめた。

「彼女がどうした」

「お前のせいだろ。小林瑛太が言ってたぞ。お前に無視され続けて、傷つきすぎたって」

酒井陽介が横目で睨む。

「飯もろくに食わないで、ずっと部屋に閉じこもってる。こないだ偶然会ったけど、10キロは落ちてたな。顔もやつれて、別人みたいだった」

「冗談だろ。華絵はそんなに脆くない。あいつは強い」

だが酒井陽介は鼻で笑い、首を振った。

「強い、ねえ。考えてみろよ。あの状況、実質“行方不明”が2年だぞ。この2年で何があったか、誰にもわからない。苦労してないわけがないだろ。心だって擦り切れてるかもしれないのに、お前がそんな態度取ったら……耐えられ...

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