第134章 ついて来い

緑色のカプセルが喉をすべり、胃へ落ちていく。ひやりとした感触が、遅れて残った。

氷川隼人は表情ひとつ変えない。瞳の奥だけが、底冷えするような光を宿している。自信がある――毒で死ぬなど、微塵も想定していない顔だ。

部屋は異様なほど静まり返っていた。アヌシーは黙ったまま、じっと彼を見据えている。

三分。

何も起きない。

氷川隼人は相変わらず冷たく椅子に腰を下ろし、呼吸すら乱れない。つまり、あのカプセルに毒は入っていなかった。

アヌシーの口角がわずかに動き、次の瞬間、薄気味悪い笑い声が漏れた。

「……ははは」

「氷川社長、運がいい」

アヌシーは愉快そうに言った。

「どうやら神様...

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