第143章 なぜ私たちを助けるのか?

相沢千夏が控室の前まで来ると、壁際に倒れ込んだ護衛が二人、真っ先に目に入った。氷川隼人の言ったとおりだ。酒井陽介は去る前に、きっちり片づけていったのだろう。二人の身体はだらりと壁にもたれ、呼吸は規則的で、ただ気を失っているだけに見えた。

千夏は眉をわずかに上げ、二人をまたぐように視線を送ってから、ドアノブに手をかける。

内側から施錠されている。

唇を結び、嫌な予感が胸をよぎった。千夏はドアを軽く叩き、声を落とす。

「弥希、私。開けて」

少し待っても返事はない。スマホを取り出して発信する。

出ない。

廊下の左右を一瞥する。酒井家の人間が異変に気づくのは時間の問題だ。そうなれば、二...

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