第145章 謝罪

同じ頃、婚約パーティーのVIP控室は、張りつめた空気に支配されていた。

酒井おばあ様は顔色を悪くしてソファに腰を下ろし、向かいには護衛が頭を垂れて立っている。視線を上げることすらできない。

「あなたたち、何をやってるの。人ひとり守れないの?」

酒井おばあ様の怒声が飛ぶ。

彼女はすっと首を巡らせ、いちばん近くの護衛を見据えたかと思うと――

パァンッ!

ためらいなく平手が飛んだ。

乾いた音が控室に響き、周囲の人間がびくりと肩を震わせる。護衛は真正面から受け、顔が横へ弾かれた。頬がみるみる赤く染まっていく。

「酒井家のイヤリングは、まだあの女の身についたままよ」

酒井おばあ様の声...

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