第158章 叔母さん、さようなら

「ん、ぐ――っ!」

アヌシーは堪えきれず喉の奥で呻き、身体がびくり、と何度か跳ねた。毒がじわじわと血に溶け、全身へ回っていく。声は痙攣するように掠れる。

「お前……正気じゃねぇ……俺はお前と一緒に火の海で死ぬ気はない」

「そう」

東沢優理は残った力のすべてで彼を締め上げたまま、周囲に広がっていく炎を見据える。火は舐めるように這い、勢いを増していく。

「でも、選べないよ」

熱波が空気を揺らし、倉庫に積まれた古い木材が燃え始めた。ぱちぱち、ばきん、と乾いた爆ぜ音が途切れない。

エミヤの胸に、理由もなく鈍い痛みが走る。

まただ。目の前で、友が死にに行く。

――何年も前、サリが自分...

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