第25章 もう十分だと言っただろう?

栗山弥希の落ち込んだ表情を見て、相沢千夏は唇を結ぶ。胸がきゅっと痛んだ。余計なことを言った――そんな後悔も、じわりと滲む。

「……もう、やめやめ。こんな話」

千夏はわざと明るく咳払いする。

「行こ。あたしが連れてく。今日は買い物!」

「え? 聞き間違い?」

弥希がぽかんとする。

「千夏が私を連れてくの? いつもは私が千夏を引っ張ってく側でしょ?」

「そう!」

千夏は大きくうなずき、目をきらきらさせた。

「弥希、買い物大好きじゃん。この間ずっと手伝ってもらったし、今日はあたしが恩返し。あたしの奢り!」

弥希の目がまんまるに見開かれる。さっきまでの沈んだ空気は、すうっと消えて...

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