第42章 見知らぬ着信

2時15分。氷川グループ社長室。

酒井陽介はソファにひとり腰を下ろし、昨夜の水上湊の誕生日パーティーで青木陽奈が菓子を配るのに使っていた紙箱と小皿を、指先でくるくるともてあそんでいた。上品に作られた箱が手の中で軽やかに回る。中には配りきれずに残った飴がまだいくつか入っていて、色とりどりの包み紙が陽射しを受けてきらきらと目に痛いほどの光を返していた。

昨夜の小林瑛太の表情を思い返せば、あの薬を仕込む話を考えたのは青木陽奈だと、ほぼ断定できる。

青木陽奈が腹の底で何を考えている女か、手段を選ばないことも、酒井陽介は前から知っていた。だが、まさか酒井家の人間である自分にまで手を伸ばしてくると...

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