第83章 思いきり楽しむ

相沢千夏の言葉は嘘じゃない。実際、ああいう令嬢たちに大して興味はなかった。

ただ、気になっただけだ。生まれも育ちも「格が違う」と言われる娘たちは、町で知ってきた女たちと何が違うのか。

人前と、人の目がないところで――いったい何枚、顔を持っているのか。

「まあね。私もあの連中とは、あんまり仲よくないし」

栗山弥希はうなずいて、ふん、と鼻を鳴らす。

「小林華絵がいればよかったのに。いたら私、何本でも芝居打ってやるのにさ」

相沢千夏は困ったように笑った。

視線を人波に滑らせる。やはり、行方不明だの何だのと噂されている小林華絵の姿はない。

その代わり――思いもしない人物が目に入った。...

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