第90章 自分のことちゃんと守って

三日後、とある地下室。

湿り気を含んだ冷気が肌にまとわりつく空間に、灯っているのは黄ばんだ裸電球ひとつ。弱々しい光が、壁の染みと錆をぼんやり浮かび上がらせていた。

小林華絵はベッドの上で膝を抱え、背中を丸めて座っている。頬はこけ、目の下には濃い影。見るからにやつれた姿だった。

ここには陽が差さない。いまが昼なのか夜なのかさえ、もうわからない。

時間の流れを確かめられるのは、日に二度、運ばれてくる喉を通らない飯だけ。

「ギィ……」

鉄扉が押し開けられ、耳障りな軋みが地下に響いた。

小林華絵はびくりと肩を跳ねさせ、勢いよく顔を上げる。突然差し込んだ光に、瞳孔がきゅっと縮んだ。

入...

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