第99章 同盟

「もったいぶらないで」

相沢千夏は苛立ちを隠さず言い放った。こういう焦らし方が、いちばん嫌いだ。

受話器の向こうで、エミヤがくすりと笑う。

「相沢さんは、いつもせっかちですね」

「もし――小林華絵が生きていて、いま私の手の中にいるって言ったら。来てくれます?」

相沢千夏は目を細めた。

「それに」エミヤは一拍置き、独り言みたいに続ける。

「たぶん……明日のニュースは、私の番でしょうね」

どういう意味?

相沢千夏は眉をひそめた。エミヤの言い回しは、胸の奥をざらつかせる。

「住所、送って」

これ以上、言葉遊びに付き合う気はない。相沢千夏と氷川隼人は、小林華絵が生きていること自...

ログインして続きを読む