第113章

「……」

西村達也のハンサムな顔が一瞬だけ微かに強張った。

「そうそう、さっき何か言おうとしてたよね?」水原花子は思い出したように尋ねた。

西村達也は意地悪そうに鼻を鳴らした。「お前がよだれで窒息死しなかったのが不思議だって言おうとしてた」

水原花子は呆れた。なんてひどい言い方をする男なんだろう。でも今は昨夜のことが気になっていた。このヴィラは彼のものだから、きっと知っているはず。

「昨夜……誰か書斎に入って私のパソコンをいじった人知らない?私の図面、誰かが仕上げてくれてたの」

「ああ、昨夜友人を呼んで片付けさせたんだ。お前が過労死して料理人を失うのは困るからな」西村達也は牛乳を...

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