第121章

水原花子は椅子に座り込んで、ショックを受けていた。

つまり高峰が失脚した後、水原慎一は急速に復活するために祖母を殺し、和田の株式を相続しようとしたのではないか?

「いいえ、そんなはずないわ、あの人は実の母親なのに…」

高橋健一は溜息をついた。

「水原慎一は一生高い地位にいた人間だ。栄華を保つためにどれほど人間性を失うか、君には分からないだろう。古来より、名門家族の相続権をめぐって、実の兄弟が争い合う例は数え切れないほどある。ましてや君の祖母は寝たきりで、彼にとっては重荷でしかなかったのだろう」

柏原おばさんは頷いた。「それに、お婆さんが寝たきりになったのも、私はずっと事故ではないと...

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