第129章

水原花子は嘲笑うように言った。

「そう、私が甥の汚職を黙認していたわ。家を建てる時の外壁でさえ横領するような人間。あなたたちは建物一つまともに建てられないのに、今度はデベロッパーになりたいだなんて。誰が買うっていうの?」

「確かに、無理だ」石川役員が真っ先に反対の声を上げた。

「私も再検討する必要があるな。和田の評判を落とすわけにはいかない」

「……」

次々と株主たちが翻意し始めると、水原花子は穏やかな口調で皆に語りかけた。

「その通りです。私は若いですが、謙虚に真剣に取り組んでいます。分からないことがあれば、ここにいる叔父さん方に教えを請うつもりです。和田がここまで来るのは簡単...

ログインして続きを読む