第13章

その夜、彼はどうしてあんなに取り乱してしまったのだろう。

水原花子が突然言った。「わかったわ、さっきのことでまだ怒っているのね」

彼女はピンク色の唇を噛みしめ、まるで決心したかのように、手を伸ばしてパジャマの一番上のボタンを外した。白く滑らかな肌が少しだけ露わになった。

西村達也は息を呑み、苛立ちを隠せずドアを乱暴に閉めて出て行った。去り際に「恥知らず」と一言吐き捨てた。

水原花子は自分の鎖骨を見つめ、ほっとしたような、少しおかしな気持ちになった。まだ何も見せていないのに、彼はもう出て行ってしまったのだ。

性格は少し悪いけれど、まだ正直な人間だと言えるだろう。

こんな男、今ではあ...

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