第150章

水原花子は彼がこんなに怒るのを見るのは久しぶりだった。慌てて電話を切り、彼に向かって説明し始めた。

「あの写真を見たの?誤解しないで……」

「誤解?どう誤解するっていうんだ」

西村達也は手にしていた携帯電話を彼女に向かって投げつけた。漆黒の瞳には失望と嫌悪と軽蔑の色が満ちていた。

「自分で見てみろよ、あの吐き気がする写真を。口では高橋健一のことが好きじゃないって言いながら、あんなにぴったりと抱きついて、服まで脱がせようとして。水原花子、お前ってそんなに厚顔無恥なのか!」

携帯電話が彼女の胸に痛々しく当たった。その痛みは、心の痛みに比べれば何でもなかった。

どんな男でもあんな写真を...

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