第157章

「今、会社で会議中でね、五時半くらいに終わると思う。それから直接車で行くから、両親には私の代わりに謝っておいてくれる?」江口遥は優しい声で言った。

「大丈夫よ。でも遅れないでね。お父さん、約束守らない人が一番嫌いだから」

「安心して。一生の大事なことだから、絶対に遅れないよ。両親が喜びそうなプレゼントも用意したんだ。早く婚約を決めて、君を迎えたいんだ」江口遥は心から笑った。

小林理沙はその言葉を聞いて胸が甘く温かくなった。

電話を切ると、彼女は車で両親を迎えに行き、そこから翡翠ビルへと向かった。

到着したのはちょうど五時半。彼女が料理を注文して間もなく、兄貴の小林綾斗も到着した。

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