第160章

「行かないで。私が最初に彼を佐々木悟の叔父と勘違いして近づいたことも知ってるし、あなたが私を警察署から救い出すために彼を騙したことも知ってるわ」

水原花子は彼女を引き留めた。

「え?どうして彼が知ってるの?」小林理沙は目を丸くした。まずい、西村達也に生皮を剥がされるんじゃないだろうか。

「そうよ、この件は私とあなただけが知ってたはずよ」水原花子は諦めたように彼女を見た。

「私は何も話してないわ。あなた、酒臭いけど、昨夜かなり飲んだんじゃない?あなた、酔うと何でも喋っちゃう悪い癖があるじゃない」

「濡れ衣を着せないでよ...」小林理沙は言いかけて、突然頭に閃いた。彼女は自分の髪をぐい...

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