第171章

「さすが、酒に強いな」

周りの人が騒ぎ立て、次の御曹司も彼女に2万円を渡して酒を飲ませた。

彼女は一杯また一杯と飲み続け、後半には胃がすでに痛みで麻痺していた。九人の御曹司が終わった後、最後に残っていたのは松本時だけだった。

彼女はふらふらと歩み寄り、目の前の松本時の姿はすでに重なって見えていた。彼の革ジャンだけは認識できたが、顔ははっきり見えなかった。

「松本さん、もう十分私を弄んだでしょ。最後の一杯、2万円でOK?」

松本時は目の前の女性を見つめた。九杯の強い酒を一気に飲み干すなんて、普通の男でも耐えられないだろう。彼女も確かに酔っていたが、その目はやけに明るく見開かれ、背筋は...

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