第172章

西村達也は体が硬直し、不機嫌そうに彼女の柔らかい肩を掴むと、掠れた声で沈んだ調子で尋ねた。

「誰にさすってもらおうとしてるんだ?」

高橋健一か?もしそうなら、絶対に彼女を部屋から放り出してやる。

「達也よ、達也……」水原花子はぼんやりと小さな唇を尖らせた。生理痛で腹部が不快な時、達也が彼女のお腹をさすってくれたことを思い出していた。

「水原花子、本当に酔ってないのか」西村達也は彼女の頬をぎゅっと摘んだ。また彼をからかっているんじゃないだろうな。

「痛いよ、もう」水原花子は酔いに朦朧としながら片足を上げて彼を軽く蹴った。

西村達也は鼻血を噴きそうになった。松本時そのク...

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