第199章

「見てみろよ、昔はどれだけ胆が据わってたのに、今じゃあいつに虐められてまるで小さなネズミみたいになっちゃってさ」

小林理沙は怒り心頭だった。

「正直に言うわ、最初彼女の訴訟を頼んだ時、言ったことは全部私の嘘よ。花子とは何の関係もなかった。牢屋に閉じ込められて、花子に会うことさえできなかったし、彼女は何も知らなかったの」

水原花子は額に手を当て、西村達也の顔が墨を浴びたように暗くなるのを見て、彼の前に立ちはだかった。

「理沙は私を救うためなの。彼女には関係ないわ、彼女を傷つけないで」

「……」

西村達也は彼女がまるで雛を守る母鶏のような姿を見て、心の中で腹立たしさと憂鬱さが入り混じ...

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