第203章

「……」

波のように絶え間なく聞こえてくる噂話に、水原花子は耳を貸す余裕がなかった。彼女は今、目の前の大スクリーンに表示された「西村グループチャリティーナイト」という文字を見つめていた。

これは西村グループが主催するチャリティーイベント?

ということは、西村達也もここにいるのでは?

視線を巡らせると、彼女はその場で気を失いそうになった。西村達也だけでなく、葉田月見、西村のお婆さん、お爺さん、西村新子、西村文子など西村家の面々が全員揃っていたのだ。

さらには幸村絵里と葉田城一郎までもが。

一同も驚いた様子で二人を見つめていた。

水原花子は足が震えるのを感じた。今、...

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