第208章

「片付けましたが、ほぼ会社中に広まっています」秋山翔吾はもごもごと答えた。

「水原社長、他人の噂はあまり気になさらないで」

「噂じゃないわ、これは事実よ」水原花子はまっすぐに彼を見つめた。

「……」

こんな問題をどう切り出せばいいのか。

そのとき、秘書が慌てて駆け込んできた。

「水原社長、大変です!何人かが押しかけてきて暴れています。入ってくるなり物を壊し始めて、社長にお会いしたいと」

「行くわ」水原花子は立ち上がった。

秘書は困ったように言った。

「水原社長、よくないと思います。カメラを持っているようで、おそらくネットに投稿するつもりかと」

「構わ...

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