第39章

「またぼーっとしてるのか」西村達也は不満げに言った。この時、彼女は自分に感謝しているべきではないのか。

「ただ…なんでもないわ。とにかくありがとう」水原花子は心から感謝の言葉を述べた。

「確かに感謝するべきだが、口だけで言うのは安っぽくないか?」西村達也は皮肉を込めて言った。

「じゃあ、元気になったらカツ丼を作ってあげるわ。でも毎日はダメよ、食べ過ぎると脂肪肝になるから…」

「誰がカツ丼が好きだって言ったんだ。普段食べるのは、君の料理の中でそれだけがかろうじて食べられるからだ」西村達也は苛立ちを隠さずに言った。

本当にもう、男が肉をそんなに好きだなんて、プライドはないのかしら。

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