第40章

もし賄賂のことが加藤会長にばれたら、どうしよう。

「お母さん……」彼女は不安そうに佐藤理子を見つめた。

佐藤理子は彼女の肩を軽く叩いて慰めた。「心配しないで、お父さんが何とかするわ」

「たとえ解決できたとしても、啓峰の評判は大きく傷つく」水原慎一は不機嫌そうに言った。

佐藤理子は彼を睨みつけた。「それでも香織のせいじゃないわ。誰かが加藤会長を陥れようとしているのよ」

「別に彼女を責めるつもりはないんだが……」

水原慎一が言い終わる前に、専務が慌てて入ってきた。

「水原社長、先ほど決まっていた慶華体育館の施工プロジェクトですが、主催者から電話があり、我々との協力を取りやめると言わ...

ログインして続きを読む